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zoom RSS 積算に関するちょっとした誤解。X線やガンマ線は除くべき。

<<   作成日時 : 2011/03/18 15:02   >>

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最近、テレビのニュースなど見ていても、単に「○○シーベルト」といわずに、1時間あたり「○○シーベルト」などというようになった。それで放射性物質のそばに一定時間とどまっているときに受ける合計線量が即ち放射線の危険度だという風になってきているみたいだが、本当はそれは正しくない表現であって、測定は生命体の中で行なわれるのではなくて、シャーレの中で行なわれるようであるから、実際にはこの値より人体が受ける影響は少ないものと推測される。といっても、間違った言い回しだとも特に思えないというのもあるが。

放射線の中でも、X線とかγ線というのは、紫外線と同じ光である。そうして、可視光線などと同じように、これらのものは、物体と反応して電離をおこす。だから、紫外線は、X線やγ線のような放射線ではないが、人体表面を透過する事で、皮膚細胞や血球細胞の一部の原始を電離し悪影響を及ぼす。海水浴による日焼けで皮膚がはがれるのも紫外放射線によるものだ。ところが、これらのものが人体に蓄積されるということはほとんど起こらない。たとえば、病院で受けるCTスキャンは、1回あたり6,9ミリシーベルト(6900マイクロシーベルト)のX線を放出するが、ほとんどのX線は積算されるようなことはないはずである。歯科検査の6ミリシーベルトなどでも同様である。一般の胸部レントゲン検査は、1回あたり0.05ミリシーベルトだという。これらの検査で傷ついた細胞があったとしても、通常100%修復されるのが普通で、大体1時間もすれば直ってしまうだろう。たぶん、細胞分裂に20分程度の時間しか掛からないことを考えると、数分単位で修復が行なわれているのかもしれない。そうすると、ますます、これら光の類の放射線に関しては、「一時間あたり」などという形容は到底当てはまりそうもないということがわかる。

極端なことを言えば、「放射線吸収量」というのは、日光浴をして温まったときの総エネルギーを計数しているようなものだ。からだが受けた総エネルギー量はちゃんと身体に貯えられているが、太陽が見えなくなれば、もう紫外線の脅威も消える。この日光浴により、太陽から吸収するえを示したものが、「グレイ値」だ。1キログラムの物質が1ジュールのエネルギーを吸収するときの値が1グレイだ。そうして、X線の加重係数を「1」と定義したので、X線の放射が1グレイの熱量を人体に与えたときの危険性が、「1シーベルト」となったものである。本来、蓄積される危険、などという概念ではなか区、被爆者が浴びた放射線量という概念であったから、時間などという尺度は伴わないものなのだ。時間の範囲を伴う場合のX線の加重係数は1よりも小さいであろう。



こういうものとは全く異なる種類のものが、α線とかβ線、中性子のような質量のある物質だ。これらは、からだで受け止めると玉入れの玉のように蓄積されてゆく。傷ついた部分は先ほどと同様に修復される。しかし、玉入れの玉が入れ替わるのにはちょっと時間が掛かって、何週間か何ヶ月かかかる。だから、これらのものを体が吸収する線量は、1時間あたりならば、まず測定値と変わらないものとなるだろう。しかし、一日となると放射線量が常時安定している場合であっても、次第に人体からの流出の分が増えてゆき、1年ともなると新陳代謝により身体に蓄積された分はほとんど入れ替わってしまうので、まるで意味のない数値となってしまう(*)。

最も早く入れ替わりの起こるのは、腸の粘膜で、わずか1日。胃の粘膜組織もおよそ3日ほどだという。次が、皮膚の細胞と小腸の表細胞の組織で、せいぜい1ヶ月。血液の大部分は4ヶ月でほぼ入れ替わるそうだ。脳細胞でも1ヶ月に半分ほどの入れ替えが起こるらしい。こうして骨組織を除けば、ほぼすべてが1年以内に交換が済み、残った骨の組織も成人では2年で交換処理が完了する。70歳以上の老人の骨も3年あればすべてが交換し終わるという。脳細胞のほぼ100%が1年で交換するというのは真偽のほどは確かではないがやや意外だ。しかし、すべての細胞の交換がこれだけスピーディに処理されるというなら、原爆被爆者の後遺症が戦後70年近くになっても残っているというのはどうしてかという疑問もわく。いったん被爆してしまうと、新陳代謝の機能が健全に働かなくなるためなのだろうか。細胞死の機構が健全に発揮しないため、被爆者というのは比較的に長命なのだとも考えられる。一昔前の常識だと、骨などは新陳代謝というものがないから、いったん閉じ込められた放射性元素は一生骨の内部にとどまるものだと考えられていた。もし、被爆によって、細胞死のリミッターが外れてしまったのであれば、同時に限界寿命のリミッターも外れてしまったと考えられないか。もしそうだとすると、被爆者の中に、人間の限界寿命を越える長寿者というのが出てくる可能性がある。



*:人間は大腸菌などと違って、放射線などによる一本鎖DNAの破損はほぼ100%修復することが出来るが、2本鎖切断が起こると、それがしばしば致命的なものとなるといわれている。そしてどうも一定時間以内に正常なDNAに修復されないと、P53というタンパク遺伝子が働き出して、不良な細胞を強制的に死滅させて排除するということがわかっている。これが放射線災害が死を招くシステムである。


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