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<<   作成日時 : 2011/04/29 16:57   >>

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大前研一氏が2009年1月27日付けでで次のように述べている。

http://diamond.jp/articles/-/5776

「バブルの崩壊前には日本の金融資産は700兆円しかなかったのに、今は1500兆円もある。不況期に金融資産が2倍になる国などない。だから不況というのはメンタルなもので、本当に不況なのではない。」そういっているがその前年に「15年来の不況は政府が作った」といっているから、表層的にはその点を突いて揚げ足を取る人間が出てくるだろう。この手の揚げ足をとる行為は、知能程度や知識のある無しには関係なく、まったくの性格でおきるもののようで、一見論理的で思考に大きなミスなど起こりそうもないものにもありがちなことで、自分では否定して冷静に分析しているつもりなのが、傍から見ていると単なる感情論者なのに驚くことがしばしばある。

まあ、それはともかく、大前氏のような経済に詳しい人も、金持ちになって不況はおかしいなどということを言っている。



景気指標の目玉となるものは経済界の活動が上向きか下向きかということで、国民自体の豊かさというものを表す尺度ではない。そこで景気指標について簡単に調べてみた。第1に、鉱工業生産指数、物価指数、企業収益や国民総生産といった、経済統計そのものを表す尺度がある。第2に、景気動向指数(ディフュージョン・インデックス(DI))といったものがある。現在内閣府が作成して毎月発表されるDIは30個ほどあるという。毎年、基準となる指標は変わるそうだが、現在29系列の経済統計が採用されている。これは多数の経済指標の変化方向を合成することで景気局面を把握しようというものだ。景気動向を量的に捉えていこうとするコンポージット・インデックス(CI)と共に、先行指数、一致指数、遅行指数の3種類がある。先行指数に属する経済指標としては、最終需要財在庫率指数、新規求人数、東証株価指数などがある。一致指数には、鉱工業生産指数や、大口電力使用料、商業販売額などがある。遅行指標としては、製造業常用雇用指数、家計消費支出などがある。そうして3ヶ月前のそれぞれの指標と比較したものの結果が毎月発表される。そして第3に、企業の売り上げや家計部門の所得に関する予測を現す、サーベイ・データと呼ばれるものがある。日銀短観などといったものや、企業経営者マインドなどである。国民の豊かさというものを、単に金融資産の伸びということだけに限定して考えてみても、わずかに第3の、国民の所得が反映されている部分がかかわっているに過ぎない。家計部門の金融資産の伸びというものは、企業からの所得のみによらず、家計部門自体の経済活動からの所得にもよるものなのであるが、その部分については、まず景気指標として取り上げられてはいない。

2008年4月までは、景気の好不況というのは主にこの2番目のうちのDI[Diffusion Index]によって語られていたようであるが、この言葉の元となった[diffusion]とは、元来「散布」とか「拡散」とか「散漫」と言った意味合いを持っていて、[nucrear diffusion]などという風に、どちらかというと「汚染」に近い好ましくないニュアンスを持っているようだが、DIが50%を超えて上昇するのが好況、50%を下回るのが不況と解されている。けれども、最近では、世界的な趨勢も会って、CI[Composite Index]のほうを重く見るようになって来た。DIが景気の変化方向を示すのに対し、CIは変動の大きさや速度を示すものである。[Composite]のほうは「合成物」、「複合物」というのが原意で、否定的な意味合いはない。

景気動向指数の利用の手引き(内閣府)↓
http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di3.html


とかく、経済活動全体が低水準であった発展途上の時代は、国家全体に占める企業部門の役割というものが大きかったが、社会全体が豊かになってくると、昔のやり方で景気を云々するという仕方は、大分誤解を招きやすい。従来の方法では、企業活動が低迷すれば、即景気が悪くなったということにつながり、それが不況という概念を生む。

そもそも、好不況といった考え方は、景気循環論の立場から考え出された概念であって、景気は循環などしていないという立場からすると、好況だとか不況だとか言った分類はほとんどナンセンスなものであるらしい。マスメディアの宣伝がなければ、どうも不況など来ないということは、社会主義政策が順調に行っていた間は、不況など訪れなかったということからもいえると思う。周期的に訪れる景気変動の原因を探ろうとして、太陽活動の変化など、さまざまな要因が取りざたされたが、もしもそういうものがあったならば、社会主義経済にも景気循環というものはあっただろうということで、いずれも下火になったものだ。だから、原因は資本主義権における自由な経済活動がもたらす大衆操作にあるものと考えることができる。つまり、宣伝大臣が不況を口にしなければ、不況は起こりえないことになる。

多分、どこかで起きる特定の資源財の値上がりなどが元で発生する小規模な変動が元で連鎖反応的に飛び火しているものが、株価や放射性元素の崩壊にサイクルのようなものがあるというような思い込みによる原理が働いて、景気循環論という意識を構成したのだろう。いったん理論が出来上がれば、それにしたがって行動しなければならないというのが大方の心理だ。


不況をあおる最大の現実が失業率の増加だ。そのことと自殺率の多さとはいかにも関係がありそうなので、マスメディアの絶好の報道材料となる。しかし、失業と自殺を結び付けているのは宣伝大臣の洗脳効果が大きそうだ。宣伝大臣の報道如何では、仕事から解放されて万歳ということにもなる。むしろ、デフレと失業との間には、昔から「フィリップス曲線」として知られる相関関係で深く関連しているようだ。失業の項目だけは景気の悪化を物語ってはいる。それが自殺のようなくらい話と結びつくので、不況感をあおる。実際は、富は増えて、物価が下がっている。そこからすると、以前よりも暮らしやすくなっている。



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円高で潤うという人も意外に多そうだ。
以前話した(景気指標について)ように、バブル期の絶好調の1990年の日本の状態よりも、現在の日本の金融資産のほうが3〜5割も多い(大前研一氏は2倍といっている。ここでは控えめにみた)。これは円ベースで評価しての話だから、円高とは全く関係がない。それにもかかわらず、大衆レベルでは「現在はバブル期よりも不景気だ」という人間のほうがずっと多そうだ。不景気で余暇が増えたことによって、自分を見つめなおす余裕ができたから、精神的にはずいぶんリッチな気分になりよかったと思う、などという人もいることはいる... ...続きを見る
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2012/01/15 15:55

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