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<<   作成日時 : 2011/08/30 16:28   >>

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バートランド・ラッセル卿によれば、仕事とは「地球の表面上、またはその近くにある物体の他のかような物体に対する位置を相対的に変えること」である。そのしかたに2種類があって、第一のやり方は勤労者が自ら行なう場合であって、第2のものは他人に命令してそれを行なわせることだという。ただ最初の場合には、見返りの報酬は非常に少なく、大体において不快である。

製造現場の工場で作業している作業労働者の行なっている仕事というものは、すべてこうしたものの移動に過ぎないものであって、大工や左官屋が住宅を建設してゆく過程と同じものである。思考作業の場合には、物の移動というと、脳内の化学物質の移動に要する熱量程度であるから、ひどく能率がよいように思われる。瞑想を行なう場合などは、賃金としての報酬はまずゼロであるが、その他のもので得られる報酬は極めて多く、しかも大概の場合快適であると思われるので、とくに自分自身に命令しているという意識はないはずであるが、第2のものに属する仕事に近いものといえる。

ラッセルは、「過剰生産が不況と好況の循環を招く」という考え方であって、だから「労働はせいぜい一日4時間にとどめるべき」などとした。したがって、社会の成員一人ひとりに公金を支給するというアイデアにも、当然賛成であったはずだ。しかし、社会の構成員の誰でもが等しい額の公金を受けとるというシステムは恐ろしく単純であるので、現行の社会運営にかかる費用の削減は莫大なものとなるであろう。もしもベーシック・インカムが実現したとして、一律に8万円が支払われたとすると、年間では96万円の1億2千万倍の115兆円が必要であるが、どうもこれでは4時間以上働きたいという人が出過ぎるように思う。不況の原因が過剰生産にあることが確実であるなら、一律20万円ほどの支給はぜひとも必要だろう。そうすると、4人家族で年間960万は保障されるわけで、これでも一日中働きたいという人間は4人に一人くらいということになるだろうから、まず二度と不況の起こらない経済システムが実現することになるだろう。しかし、その場合は最初のスタートのための財源をどうするかという問題が起こる。

年間一人頭月額15万円とか20万円も支給されたら、誰も働かなくなるだろうなどという人が時々いる。そういう人たちは、現在の社会システムの下では、自分の意思に反していやいやながら生活のために働かざるを得なくされているということを考えに入れていない。生活の必要から自由になれた途端に、労働は遊びとなるであろう。毎日2時間とか3時間は遊びながら賃金を受け取ることができる。そういう人は、仮に毎月1000万円をただで受け取る人でも、自給500円のパート労働に出かけるという人間の心情を理解していない。

極端なはなし、賃金というものが全く支払われない、または働くためにはこちらから一定の額の金銭を支払わなくてはならないという社会があったとする。おそらく、この場合でも金を払ってまで働こうというものは出てくるはずである。それも、全人口の5%とか10%というかなり高い頻度でそういうことが起きるであろう。「働くものは金を支払うべし」という概念は、健全に働けるだけ人生において楽をして生きている、といった、老人や障害者たちに対する後ろめたさのようなものから生じると考えるならば、この頻度はもっと高いものとなるかもしれない。

労働というものが快楽になるならば、現在アミューズメント施設にわざわざ対価を支払ってまで入場したがるもののいることを見れば分かるだろう。労働に赴いたほうがよほど楽であるに違いない騒がしいディズニーランドの場をなぜ娯楽の場だと感じるのか、今でも私にはよくわからないものもある。一方で、なぜ金を払って本などを購入するのかが理解できない人もいるに違いない。活字を追うのが苦痛であるタイプの人間には読書がなぜ娯楽なのかが全く分からないだろう。苦痛と疲労の象徴のようなスポーツに大金をかけるもの、登山のように達成感を味わうのが目的であるならば別段日常の労働においてもそれと変わらないと思われるものもある。このような、スリルを快楽と交換するタイプの娯楽というのは、戦場で時限爆弾を解体するような人物が味わう達成感と似たものを感じているであろう。ただそれを味わうものの常識というものが何処に向いているかによって異なった感じ方が生まれるというだけだ。たとえば自殺も殺人も感情の発生する場所は同じだが、その働きが内向きか外向きで結果が大分異なってくるのと似たようなものだ。

こうしてみてくると、一口でベーシック・インカムといっても、それに伴う労働収入がプラスの場合と、労働市場に参加する場合に入場料が必要であり、労働後も働いた分に見合っただけの賃金を支払わなければならないという場合があるということが考えられる。しかし、後者の社会を実現するためには、徹底的に大衆の通念の再教育が必要であり、それには民主制ではなく独裁制が必要であろう。無知蒙昧な大衆を導くには、モーセやイエスのような指導者が必要なのだ。ヒトラーの誘いでいかようにも行動する暗愚の代表たちが多数決を振り回したところで、どうせ結論はでたらめなものとなるに決まっているのである。


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いろいろと、労働についての議論が絶えないが、「働かなければよい」ということに気が付く人間はあまりいない。



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