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zoom RSS ラッキー博士の放射線ホルミシス

<<   作成日時 : 2012/07/22 15:23   >>

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トマス・ドンネル・ラッキーについて調べようとしても、なかなか該当するものにお目にかかれない。それで2003年に「名誉サムライ」の称号を受けたときの扮装か、羽織袴で脇差をさした博士の写真の載っている本を取り寄せた。『放射能を怖がるな』(日進報道)という小さな書物である。2011年の8月に発行された本だ。著者T.D.ラッキーとなっているが、大部分茂木弘道という人が書いたものらしい。一応肩書きは東大の経済だが、この種の人間は社会に出た後でも各種学問に親しんでいるはずなので、どういうものに詳しいのかはわからない。この本の始めのほうに、「20年前にチェルノブイリで起こった原子炉のメルトダウンが、おそらく5年後のソ連崩壊の真の原因であった」というミハイル・ゴルバチョフの慨嘆が乗っている。必要もない避難活動のために、巨額の財政支出を投じて、そのために疲弊にあえぐ国家を終には破綻させたというものだ。日本はソ連の徹を踏むことがあってはならないと、ラッキー氏は強く主張する。

放射線は、毒にも薬にもなる他の多くのホルミシス物質と同じで、人体にとっての不可欠栄養素だというほどの考えだ。宇宙飛行士の健康に関する研究を続けているうちに思いついたという。年号まではっきり特定していて1959年のことだというから、よほどなにか閃いたのだろう。ラッキー博士がアメリカのワイオミングに生まれたのは1919年のことであるから、ちょうど40歳のときだ。氏がウィスコンシン大学から博士号を取得したのが1946年というから、27歳のときだ。その後ずっと生化学の研究を続けてきて、1954年にミズーリ大学の医学部生化学の主任教授になって、それから5年後だ。長年にわたって、毒性物質の少量投与が成長などの促進効果をもたらすことを確認してきた。放射線に関しても明らかな効用が見られる。問題は、ピラミッド・パワーのところでも言ったと思うが、ラッキー氏が特異な能力の持ち主であり、実験室の場を自らの思念によって偏向させてしまうことだ。

しかしながら、通常の人間のほとんどはラッキー氏と同じようなタイプで、適量の被曝によって異常をきたす人物というのは実際には極少数であるという可能性のほうが濃厚だ。それは過去において放射線の研究に従事した学者の多くが平均よりもかなり町名であることにも現れている。過度の被曝による放射線障害に悩んだといわれるキュリー夫人(1867−1934)でも、67歳まで生きているから、そう短命とはいえない。夫のピエール・キュリー(1859−1906)は51歳で死亡したが、子音は馬車に引かれた交通事故であって、放射線被曝との因果関係があるとはいえない。そのほか、過去における放射能ドリンクで健康を害したなどという例はあまり耳にしない。特定のだれそれが命を落としたなどという話が、さも恐ろしげに今日まで伝えられているが、生来蒲柳の質のものをことさらに選んだという感もある。大量の謎の死の報告もない。多くのものは何の悪影響も受けていないに違いない。「放射線は危険」の根拠となっているLNT仮説はDNA修復機能を持たないショウジョウバエの実験から得られた結論で、人間はそうした単純な生物とは異なる。この古くからの仮説が受け入れられているのには、化学的根拠も医学的根拠もなく、ただそうすることが政治的に便利だからである。どのくらい古いかというと、第二次世界大戦以前の話である。社会主義と資本主義との戦いがまだ続いているのであって、LNT仮説を受け入れることは資本主義陣営にとって利益になると、ただそういうことのみであるようだ。

たとえて言えば、非常な潔癖症であって、いっさいの細菌を寄せ付けないというような人のことを、「細菌恐怖症」患者などと呼んでいるが、それと同じことである。細菌が世の中からなくならないように、放射線も世の中からなくならない。なくならない以上、そこから逃げるよりも、反対にそれと戦うことのほうが大事である。現実問題として、われわれが常時戦っている有毒物質に酸素というものがあるが、これなどはむしろ効能の部分のほうが目立つので、普段その毒性に気付かないほどである。

ラッキー博士が『放射線ホルミシス』という222ページの著書を出版したのが1980年。1996年にはこの分野の世界2大指導者であるマイロン・ポリコープとルードヴィッヒ・ファイネンゲーデンが大論文を発表、「活性酸素による攻撃は、自然放射線の1000万倍で、われわれの細胞は1個当たり毎日100万件のDNA修復で生命を維持している」としたそうである。そうして2001年には、モーリス・チュビアーナが「自然放射線の10万倍、即ち10ミリシーベルト毎時以下なら人の細胞のDNA修復は充分になされ、アポトーシスによる修復失敗細胞の除去間で考えれば、防御機構はパーフェクトで、10ミリシーベルト毎時以下であれば発がんなどありえない。」とした。そしておそらくこのことは自然放射線の100万倍(100ミリシーベルト毎時)まで当てはまるであろうとしている

本書には、広島や長崎の被曝者の白血病死亡率が、原爆で受けた放射線被曝量の量に応じて記載されていて、それ(1990年の調査結果)によれば120ミリグレイまでは被曝者のほうが、郊外の非被曝者よりも低いということが明らかとされている。それまでは被曝者全体を一律に論ずるという調査しかなかった。なかったというより、広島大学病院や他の調査機関が、昭和40年頃だったか調査を行なったところ、被爆者のほうが一般人よりも長寿であって、しかも比較的健康状態の良い者も多いという結果が出て、それ以来調査結果を報告しなくなったらしい。調べれば、どこかの地下室から都合の悪い記録が見つかるかもしれない。

広島や長崎の原爆と並ぶ被曝による健康効果は、核施設労働者に見られる発ガン死亡率の減少ということにも顕著に見られるという。700〜800万人毎年の核施設労働者と一般人の調査では、前者の者の方が平均52%もがん死亡率が低かったそうである。おそらく、原子炉運転・点検作業員にも同様なことが見られるはずである。50%程度の低下では、がん死亡率が劇的に低下したという実感はわかない。だからテレビなどで白血病にかかり死亡した原子炉作業員の話を聞くと、それが一般人と比較してかなりの低率であるにもかかわらず、ついつい番組構成の誘導にかかって原子炉放射線を犯人にしてしまいがちだ。さらに、1995年のアメリカのコーエン博士の調査によれば、家庭内のラドン量が増加するのに正比例して、肺がん死亡率も減少するという結果が出ているそうだ。これは内部被曝であって、原爆は外部被爆が主であるから別のものだという人が時々いるが、体の外にあってもうちにあっても、放射性物質の働きが異なるわけではない。原則として放射線に直接DNAを傷つけるエネルギーはなく、体内にある水分の中を放射線が走りぬけると、その中の電子をもぎ取り、水酸遊離基OH・を作り出す。この活性酸素が主な毒源となる。それに外部とか内部という区別はない。古くからあるアインシュタイン流の科学万能の学説ではこういうことは分からなかった。1980年代前半以前の教育下で育ったものは、放射線はなにか特別な影響を人体に及ぼすものと考えやすいと思うが、実はほかのものとさして変わらないのだということが一般の社会にも浸透しつつあるようだ。科学で判明した学説が一般社会へ十分いきわたるにはおよそ半世紀の期間を要するということだろう。

ラッキー博士の持論では、古くなった廃炉を学校施設として再利用することで、慢性的な不足状態になっている放射性栄養素を充分摂取できるだろうということだ。街路の舗装などにも放射性廃棄物を使用することを進めている。ただし、放射能が悪阻るる似たらないということが判然とすれば、おそらく原爆被害者として国際社会に存在をアピールしてきた日本政府は窮地に立たされるだろう。明治維新以来の非合法国家であることが明るみに出て、新国家の誕生ということにならざるを得ないということになるかもしれない。


放射線ホルミシス説は、けだし99.9%の人間にとっては当てはまるであろう。しかし、チュビアーナ博士の言うとおり、「防御機構はパーフェクト」といえるような人間がすべてではない。色素性乾皮症のような人が被曝すれば、かなりの高確率で皮膚がんが発生するだろう。1000人に1人くらいしか存在しないだろうが、それでも無視するわけにもいかないと思う。ナチスドイツ張りの断種政策を実行したところで、そういった不良品が自然発生率に等しい10万人に1人くらいにまで減少するまでにはかなりの時間がかかるだろう。

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ラッキー博士の日本への贈り物 T.D.ラッキー 茂木弘道 日新報道発行年月:2011年08月 ページ


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