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<<   作成日時 : 2014/09/15 16:40   >>

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丸メガネに変えて以来ここ一年の間、やたらと空ばかり眺めて歩く日が多くなったことは夙に記したが、おかげで「雨模様」というのが、雲が空に作る模様から来たことに気が付いた。雲の中でも富士山の7合目くらいより下にある乱層雲のことで、日常これを雨雲と呼んでいる。大体曇り雲が下に降りてきて飛行機を隠すようになる見当だと思う。熱帯地方のほうが重力が小さいので雨雲の位置もやや上側にあるはずである。

雲の分類というのは、その雲の発生する高度によってわけるようになっているらしい。高度2キロメートルより下を「下層」と呼んで、これは地上どこでも共通している。極地方に行くにつれ重力が強まるので、中層、上層の幅もつぶれてくる。一般的なイメージで雲と呼べるものはすべておよそ高度10キロメートル以下の対流圏内に収まる。対流圏内では上昇するほど気温が低下する。地表面で温められた大気が上昇することが大きな原因だ。上空は気圧が低いので、空気の塊は膨張する。膨張するということは、空気の塊が周りの大気を押し広げるということであるから、これは仕事でありエネルギーを必要とする。このエネルギーのすべてを自分自身の空気塊で賄うとしたものが「断熱膨張」で、計算によると100メートル上昇するごとに1℃下がるということになる。実際はこの三分の2ほどの0.65℃毎100メートルの割だが、かなりの割合を断熱膨張が占めているらしいというのがわかる。この計算が成り立たなくなる境目のことを「トロポポーズ[tropopauze]と呼んでいる。対流圏(トロポスフェアー)[troposphere]の休みの意味だ。ここから先が成層圏[stratsphere]である。成層圏ではマイナス60℃くらいまで下がった気温が今度は上昇に転じ、0℃付近まで上がる。そこからまた中間圏[mesosphere]に達すると一方的に気温が低下し、マイナス100度近くになる。熱圏[thermosphere]で再び上昇し、オーロラの表れる高度を超えると気温は1000℃を超えるが、気圧が低すぎるので別段熱いというほどのことでもないらしい。同じ高度の変化でも、海底への降下の旅がごく単調であるのに対し、高空への飛行は変化が著しい。ウィキの「地球の大気」という項にある程度の説明が載っている。

さて、地上で暖められた空気が上昇する時、仮に無風状態であればまっすぐ上に上がるかというと、どうもそうはならないのではなかろうか。太陽系内の諸惑星の動きなどにしても、ちゃんと角運動量保存則に従って外側のものほど中心側から見ると遅れるようにまわっている。宇宙どこへ行っても比較的この仕組みは変わらないのではなかろうか。そうすると上昇する空気塊は次第に遅れるように動きそうだ。止まっている人から見たら、ちょうど地球が回転する方向から風が吹いている具合になるから、これはランナーが進行方向に風を受けるのと、結果的に同じことになりそうである。しかし現実は、ジェット気流などはずいぶん速い西風であって、角運動量からくる思いなしとは逆である。どころか偏西風というのは汎地球的な現象であるらしい。とすると、単なる空気の上下運動に勝る大規模な運動を背後に探さなければならなくなりそうだ。

それで、地球の半径方向の風の流れを見てみれば、角運動量の変化も露骨に表れてくるであろう。そこで極地方の冷たい空気が地表に沿って外側に流れてくる場合について考えてみると、空気隗は結構な速さで遅れだして、時計回りに回転してみえるだろう。逆に赤道から内側に向かう風の流れの場合は、見かけの速度を速めるように、これも時計回りに回転してみえることになるだろう。この考えだと後者については偏西風の事実に丁度合致している。地球の赤道の周りに筒のようなものをかぶせて考えてみると分かりやすいかもしれない。赤道の風のほうが常に速く自転しているので、当然空気の塊の慣性速度も速いのだ。ただ冷たい空気のほうが高気圧だから、温かい低気圧の空気に突入しやすいだろうというのが風だろうから、後者のほうが顕著に起きるというのはなぜかという説明はわからない。

これは地球を中心とした座標系が慣性座標系ではないために起こるまやかしの類である。そこでまやかしを補正するためにコリオリの力という見かけの力が必要なのだ。時折膠着的な性質の人には、こうした見かけの力が様々な怪奇現象をもたらしているものとも推察される。たいていの物体は地上を運動しているので、遠心力に加えてコリオリの力といった見かけの力を受けているのだが、地球があまりに巨大すぎるのか人間があまりに矮小すぎるのかのどちらかが強く影響して、われわれは日常どちら側に歩こうとしても違いを感じるということがない。コリオリの力の働くものでよく知られているのにスケーターの回転があるが、こちらの方は角運動量保存則の例としてよく持ち出される。地球の場合には腕を引き付ける代わりに空気塊を赤道から内側にひきつける場合がこれに相当する。空気塊のあった場所にはすぐに別の空気隗の質量がとって変わるので、地球自体の回転が増すということはないが、空気塊のほうは元の速度を増す。

空気の上下動によっても、もちろんコリオリの力というのは作用しているが、上下動の速度がゆる過ぎて抵抗で打ち消されてしまう。抵抗がないとすれば、おそらく上空では風は緩やかに東側から風いているものと思う。地球半径というのは、赤道付近で最大の6380キロ、極付近で最小の6350キロくらいらしい。だから、緯度θの地点に高さ635m−トルほどのビルを建てると、その頂上ではsinθ÷1万にその地点での地球の回転速度をかけた分だけ早くなるということになる。地球の自転速度は、赤道で4万キロ÷86400≒463メートル毎秒だ。緯度45度の地表ではおおよそこの半分の秒速230メートル。その1万分の1の半分というと1センチ一寸にしかならない。635メートル落下するのに10秒かかるとしても、せいぜい10センチくらい東側にずれるだけだ。思ったほどではなかった。まあ、適当に計算しただけだから、桁が違ってるかもしれない。

コリオリの力はこの辺にして、雲の話を続ける。基本的な10種の雲形(10種雲形、雲級)というものがあり、覚えておくとかなり身近なことに役立ちそうだ。

上層にできる雲としては、(1)絹雲[Cirrus](Ci)、(2)絹積雲[Cirrocumulus](Cc)、(3)絹層雲[Cirrostatus](Cs)がある。赤道付近に近づくほど厚みや高度を増し、極地方の2倍以上に達する。次に中層付近に見られるものとして、(4)高積雲[Altocumulus[(Ac)、(5)高層雲[Altostratus](As)、(6)乱層雲[Nimbostratus](Ns)がある。下層にとどまるものとしては、(7)層積雲[Stratocumulus](Sc)、(8)層雲[Stratus](St)がある。雲底は下層にあるが厚みがあり雲頂が上部にまで伸びているものとして、(9)積雲[Cumulus](Cu)、(10)積乱雲[Cumulonimbus](Cb)がある。

高層部にある雲というのは、昼間でも薄いピンクが掛って見えることが多い。そのせいか、雲の中でもとりわけきれいに見える。すじ雲とか、うろこ雲というものが典型だ。最近では、「絹」という文字の代わりに「巻」を採用している場合が多いらしい。ウィキペディアでもそちらを用いている。どちらにしても読み方は「ケン」だが、「巻」の文字を見ると、何か暴れ竜のような動的な感じがして穏やかな気がしない。「巻層雲」などと書くといかにもやかましそうだ。

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上の10雲形で行くと、6番目のNsがいわゆる雨雲に相当する。雨模様が視覚的に射影されたものがあるとすれば、この雲の作る模様を雨模様というに違いない。

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   この乱層雲は、上の絹雲と比べると、下層に降りてきた気配が肌でも感じられるくらいになってくる。しばしば、川を渡る水けを含んだ風が異様な生物に例えられるのも、何者かに丸呑みにされたという殺気というものを自然の湿り気が有しているからなのだろう。

私は雨の日は出歩かないようにしているのだが、念のため、折り畳み傘はカバンに入れていつも持ち歩いている。これは小学校のころからの癖なのだが、なぜか周囲に持ち歩いているものはあまりいないようだ。多分、日本ではあまり雨が降らないので重さが邪魔なのだろう。以前は折り畳み傘も男性用は黒物しかなかったが、最近は色物が増えてきたのでそちらにしている。雨傘だから白地に水玉模様の明るい生地にしたいのだが、社会通念が膠着して機械化しているため不自由が浸透しきっていて恥ずかしくてなかなかさせそうにない。第一そんなのはどこにも売っていない。ちなみに日本全国の降雨量は、おおよそ6600億立方メートル毎年という割合らしい。手元の書物によれば、このうち3分の1は蒸発により元に戻ってゆくのだそうで、日本の河川などは世界的にも急峻だといわれる割にはいつの間にかそれほど消えているというのが不思議だ。水害の報道などに接すると、なかなか水が引かない様子を見てその感が強まる。それでいろいろ調べてみたがどうにもはっきりとしない。しかし、ちょっと地面がぬれる程度の小雨なら、まず100%蒸発するだろうから、全体としてはそのくらいになるのかもしれない(*)。残りの3分の1のうち、全く利用されずに海に流れ去るのが40%だそうだ。人間に利用されるのはせいぜい全体の10%か15%しかないそうである。地下にしみこむものもかなりあるらしい。

(*)普通サイズの50×25メートルの温水プールだと、大体1時間当たり600〜700キログラムの水が蒸発しているそうである。縦横1メートルサイズのふろおけに例えると、650÷(50×25)約0.5キログラムに相当する。湯温と室温が大体等しいとすると、こんな具合になる。問題としているのは降雨なのであるから雨粒と外気温の温度差はほとんどゼロとしてもよいわけだ。風呂桶の場合などは、実際この3倍以上は蒸発してなくなっていくだろう。予想以上に蒸発でなくなる分というのは多そうだ。無風状態でこのくらいである。屋外であると、川などは早く河口に到達しないと、枯れ川になる公算が大きそうである。


雨粒の大きさには定義があって、半径およそ0.1ミリ以上にならないと雨とはいわない。人が傘をさして雨が降っていると思っていても、アバウトな定義だから、自分で霧雨だと主張していれば通る場合もある。半径3ミリを超すと、風圧で分裂するので、上限もこれくらいだ。この大きさの雨でもただ振っているだけであれば、人が走る程度の速度しかないらしい。時速40キロの雨というのはまずないそうだ。そうするとあとは風の効果による割増というのしかない。台風では撹拌されるから、雨粒も細かくなりそうに思うが、そうはならないようである。しかし半径0.1ミリ(100μ)の雨粒の場合、湿度90%のもとでは150メートル落下すると蒸発してしまうというから、雨粒だという感覚はまずないであろう。それに半径100μの雨粒の最終落下速度は、わずか秒速30センチに過ぎないという。霧雨と呼ばれるほどの物でも、この2倍の半径の大きさが必要だ。




日本付近では春秋共通して、移動性の高気圧と低気圧が割と規則正しく訪れるので、この時期はおよそ4日ごとに晴れたり曇ったりを繰り返すらしい。しかしその後まもなく、秋の長雨などといわれる季節に入ることも多く、四季の中で最も早く過ぎ去るのが秋という感じだ。特に残暑が続いて9月の終わりころまで蒸し暑かったりすると、実感できる秋の季節はわずか1か月足らずしかない。


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雲をつかむ話 気象ブックス 武田喬男 交通研究協会発行年月:2005年05月 ページ数:185, サ


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