歩くのと走るのとではどちらが濡れないのか。

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図解・気象学入門 原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図【電子書籍】[ 古川武彦 ] - 楽天Kobo電子書籍ストアこのところ連日のようにこの事ばかりネットで3軒ほど調べている。同じ時間の場合は走った方が濡れるに決まっている。大体雨粒と同じ速さで走るから2倍くらい走った方が濡れる。

問題は同じ距離の場合だ。下からの跳ね返りを全く無視した場合、圧倒的に多くのものが走った方が濡れないという。なぜほとんどすべてのものがそう思うのだろうか。何か重大なことを忘れて、問題を単純化しすぎていないだろうかと考えているうちに、『そうだ、汗と同じではないか』ということに気が付いた。少しの雨というのは全く汗と同じで、過ぎに蒸発して終わりだ。

多くのものの意見通りにいくとすると、0.3ミリなんていう、傘を差さずに普通に何時間歩いていても絶対に濡れない雨のことを考えると、たちまちおかしくなってしまう(地面が濡れない程度の雨を小雨というらしい。そうすると冬場はほとんど小雨はないということになりこれも変だ)。もしもエイトマンのような超高速ランナーがいて、何キロもの長いこの道のりを1秒で駆け抜けたとしたら、この人はずぶぬれになるであろう。この間にある雨粒を1秒の間にすべて受けるのだから、数百ミリの雨の中を通り抜けたのと同じことになるからである。一方この道を歩いた人の方は全く濡れない。だから速く走った人のほうが濡れるという場合もあるので、ほとんど全員おかしいことになる。

しかも雨の日でも湿度50%以下という西欧の学者まで、霧雨のような緩い雨でも走った方が2割も濡れないとしているのだ。湿度50%だったら、20℃もあれば、0.5ミリの雨でも次の雨粒が付く前に乾いてしまうだろう。

人は寝ている間の低体温状態でもコップ一杯分くらいの汗は気付かずに掻いている。起きている間はこの何倍もかく。ちょっとした霧雨程度の雨量に等しいかもしれない。この蒸発力というかそうした力を無視しているから、現実離れした計算結果が出てくるのだろう。

水1グラムが蒸発すると、1気圧100度で539カロリーもの熱を奪う。25℃での平衡蒸気圧の下では1割ほど大きい。体温付近ではもっと大きいらしい。もし1時間に1リットルの汗をかいて全部蒸発できたとすると、60キログラムの人の体温を12度も下げることが出来る計算になるそうだ。実際には有効汗量というものがあった、激しい運動時では40%のあせはそのまま流れ落ちてしまうという。であると、普通の人で1時間に0.2リットルの汗を蒸発させることは余裕で出来ることになるだろう。不感蒸散の10倍の量に当たる。これをそのまま降水量で表せば、ヒトの体表面積を2平方メートルとして、0.1ミリの雨ということになりそうだ。多分0.1ミリの雨ならどんな人でもたちまち蒸発させられそうだ。加えて雨に濡れるということはその分体温を下げるので、早く蒸発させようとして人の身体は体温を上昇させるような交感神経過敏な状況を作り出すはずである。それが原因かどうかしらないが、濡れているときは外で雨が降っていても眠くならない。そうしてこの状態は湿度100%であっても外気温が体温より低い限りは作り出すことが出来る。外気温が体温より高くても湿度さえ低ければ汗で体温を下げることが出来る。基礎代謝量の大きい人は雨などどんどん蒸発させるので、1ミリや2ミリの雨が降っても全然濡れないというのもいるかもしれない。それから、濡れたと思っている人も、案外雨でぬれているのではなくて汗で濡れているのだとも考えられる。人は意識しなくても一日900から1200㏄の汗をかいている。一時間当たり50㏄の汗の蒸散を雨がブロックしているから内側から濡れるのだともいえる。

必要水分量については、次のカシオの計算サイトがある。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1161228737


どこを調べても、雨は真上から降ってくるとして、上から降る雨と前からの雨をたして合計の粒を求めている。真上からだと、上の面積が少ないやせ型の人のほうが雨に打たれにくくなる。前方の雨は勢いがゼロだからだ。

ところで、家にあるもので一番雨に近いものといえばシャワーだが、速度というのは無視して、あれを雨量に直すとものすごいことになる。しかも顔の近くで集中的に吹きかけるので、当たる面積は1平方メートルの4分の1くらいだ。1分間で5リットルくらい使うという。そうすると、少なくとも雨量300ミリか、狭い箇所から浴びれば1200ミリの強さとなる。そんなものを受けても全然恐怖も何も感じないというのはやはり時間が短いからだろうか。

それとも、裸だからかもしれない。服の重みが恐怖を引き出しているとも考えられる。服が水を吸って重くなる様子が、何か得体のしれない怪物に襲われているような感覚を無意識に感じ取っているのかもしれない。無意識がパニックに陥るので意識的にも不安になるのかもわからない。そうすると雨の中を海水パンツなどで歩いてみたらどうだろうかと思ったが、そういうことは軽犯罪法で禁止されているらしい。海水浴場の砂浜で雨の日にやってみるならできるだろうが、今度は入場できないだろう。

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