スワイ・ショウ

「スワイショウ」あるいは「シュワイショウ」と続けて表記するのが普通だが、それだと何か無生物の名前のようだ。多分由来は中国なんだろうと思って調べたら、案の定そうらしい。または「セイシュ」とも発音する場合があるようだが、これだとずっと日本語的だ。

最初の文字は、中国にしかない漢字で、「用」という字と「屯」という字を重ね合わせたような、あるいは「用」の真ん中の棒が下に長く伸びて折れ曲がったような変な字、それとも「曳」という書体のほうが全体的に似ているだろうか。最初「蝿」の文字の右下の部分かと思ったが、どうも違う。「亀」の下の方でもない。ああ、そうだ「用」に「毛」または「匕」が合体したものだ。それで「スワイ」または「シュワイ」と発音するらしい。もともとの意味は「放り投げる」というものだそうだ。二番目の文字は「手」と書く。両方合わせて「手を放り投げる」という意味になる。なんとなくスイング・ショウみたいに聞こえる。「手を放り投げる」気功または武術というような意味となる。太極拳みたいなものだろうか。

ひねる動作と前後の動作がある。両方合わせれば歩く動作になりそうだ。二つに分解してしまうと前に進めなくなるのだろうか。前後の動作といっても両腕とも同時に同じ方向に振るので、体全体は腕と反対方向に動く。まあ、たとえ静止しているように見えても、生物の体というのは頻繁に動いている。テレビゲームなどでも、静止している人物よりも、実際の5倍も呼吸による反復的な動作を強調したもののほうがより本物らしく見える。暗闇の中で見つめる静止しているはずの点光源があちこち動き出すというのも、人の目が片時も静止していないという証拠らしい。外界の認識のためにはコントラストが必要だからだという。女性よりも男性に、暗示にかかりやすい人や依存心の大きい人にはこうした現象が起こりやすいという。一般に思われているのとは逆に、男性のほうがどうも依存心が大きいようだ。刺激がないと自分から動き出すのだ。心臓の鼓動などの反復的動作を除外視しても生命は常時運動を無視しては一時も活動できない。特に眼球運動に関しては。自然学者のフンボルトによって「星のさ迷い」と名付けられた。多くの天文学者たちによって、夜空の星が異常に運動する現象は観測の妨げとして問題となった。その後1世紀ほどたって、この現象は生理学者のヘルマン・アルベルトによって「自動運動」と命名された。1961年のことである。

ゲームの話に関連して、地上の大気がもたらしている現実効果ということを思い浮かべた。遠い山が青く見える、またはぼんやりとかすんで見えるということである。ただ遠近法でものを描いただけではその非現実性を瞬時に人は見抜くということだ。瞬時といっても、はっきりおかしいということを意識するまでには何呼吸の時間がかかるだろうが。

特にひねる動作は、力を完全に抜いてしまえば、両腕が完全にムチの動きになるのだから、先端の威力はものすごいものとなりそうなことはすぐにわかる。しかし、たいていはそんな風になるわけもないから、拳闘家のパンチのほうが痛いだろう。

しかし、太極拳などに象徴されるような丸い動きは元来中国にはなかったものなのかもわからない。三国志などでは、関羽の青龍偃月刀にしても刀自体の重みでたたき切るといった直線的な動きだ。やはり丸い動きが中国に染み付いたのは仏教の伝来以降なのではあるまいか。しかしながら、何時頃の誰が創始者なのかなどということになると、仏教のように広く国家的レベルで広まったものでないだけに「俺だ俺だ」と名乗り出るものはいくらでも出てくるだろうから、確定はできないだろう。

気ということを主体として考える場合には、左右への回転運動を行うものよりも、前後に反復運動を行うもののほうが基本的な運動のようにも思える。しかし、人間の体が鞭のしなやかな動きと程遠いのは、野球投手の投げる球がせいぜい160キロ毎時どまりであることからもわかる。


気になって検索していたら、簡単な動作なのに、気の力を呼び起こす基本の動作で、この法を毎日30分も繰り返せばパワー全開だなどとある。ただ両手を前後に振るだけなのだが、そんなに効能があるのだろうか。


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