膠原病

ミネルヴァ書房の「シリーズ・骨の話」の5巻目の本が「膠原病」なのだが、骨とどういう関係があるのだろうかと思って取り寄せてみた。「骨の話」は全6巻あって全部面白そうだが、変形性関節症・脊椎症、骨粗鬆症などは、骨と関係が深いというのはすぐわかる。しかし膠原病というのは骨と結びつかない。膠の元という言葉からすると、なんとなくコラーゲンと関係が深くて、骨自体からは少し距離のある特殊な病気らしい。少し距離があるから、整形外科医の担当ではなく、膠原病内科医が扱う分野だ。それでも骨や関節の病気であることは同じカテゴリーに属し、医療機関の寄与することは極めて少なく、根本的に患者自身が生涯付き合っていかなければならない病である点では同じらしい。

まあ、西洋医学の常識内では治らないものとなっているが、断食したら治ったという人もあまた存在している。膠原病に罹患する人自体が少ない中で、「自分は断食で治った。私も、私も」という人がかなりいるところを見ると、少なくとも100人に1人には相当の効能があるらしい。しかも薬など一切使わないで治るとなれば断食のほうがずっとよさそうだ。病院通いの膠原病患者の中には薬の副作用で早めに死ぬものもいるだろう。腰痛などは100人に1人どころではなく、病院などよりもそこらへんなマッサージに通った方が一割もましだというから驚くより先にばかばかしさというものを覚える。1割増しだということは実際はそれ以上だ。病院の医師が血統書付きなのに対し、マッサージ師の中にはテキトーなのもいるに違いないからである。テキトーなものもあまた混交しているものに負けるのだから、西洋医学など余程大したこともなさそうだ。

人体を構成する有核細胞には、自分に特有の遺伝子部分を持っている。その部分のことを主要組織適合遺伝子複合体[Major Histocompatibility Complex]とよび、この遺伝子によって決まる分子(MHC分子)を細胞表面に提示している。免疫細胞はそれを認識して攻撃しないように訓練されているのだが、膠原病の人では、細胞内の核に対する「抗核抗体」という自己抗体が作られるらしい。

膠原病[Collagen Disease]は1942年にアメリカの病理学者のポール・クレンペラーが初めて提唱したもので、血管や結合組織が傷害されることで起こる全身的な病のことを指していた。それが他の医師によって診断名として使われだしたので、彼は「膠原病を診断名としてはならない」と強く訴えていたが、今でも膠原病という特有の症状を引き起こす病があるかのような印象だが、共通点を有する多くの疾患を含んだ病気群であって、本書では8個のものを取り上げているが、原因遺伝子となるものも異なった別個の病気だそうだ。だから重いのから軽いのまであるが、どうということもないと思って昼間安心していると夜には危篤状態になるという重いのもあって、そういうのはがんよりも余命が短い場合があるのだという。ただし遺伝だけでは鍵穴の一つしか外れない。3つほどあるから発症しない場合もあるという。先に膠原病としては扱わない事もあるとした関節リウマチも本書では膠原病に含めている。

DNAの発見以前ではあるが、なぜ病名が付くのがこれほど遅かったかというと、社会に余裕がなかったというのが一番の原因だろう。不要なものを助けていたのでは社会が死滅する。再三言っていることであるが、ナチスの障害者安楽死問題にしても当時は家族の依頼があったので手間暇かかる面倒なことをナチスが実行していただけだったのが現在大曲に解釈されているだけで、実際はアメリカでもどこでも同様のことをやっていた。紙に書かれた歴史などいかに胡散臭いかということだ。もしも韓国や中国の言う歴史が真実であるとしたら、どこの判事が「日本は無罪である」などと主張したであろうか。数すくない例だけを根拠に、いかに歴史が歪曲されて伝えられているかということを示すものである。現在のことでさえ伝えられている話は嘘ばかりなのに、「過去は一つ」などという話を真に受ける愚かな大衆国家群だ。1990年の湾岸戦争時では、完全無実な国の軍人たちを何十万人も虐殺しておいて、裁判にかけられるどころか、死んだ途端に国葬されるという旧約聖書のモーセ国そのものに近い国家がアメリカ合衆国というものである。ところが2次大戦においては、東京裁判やニュルンベルク裁判というものがあったのだから、戦争勃発時の正当性は枢軸側にもかなりのものがあったはずである。それであるから、現在米国では40万人の国民の命を奪った張本人として、ルーズベルト大統領を戦争犯罪人として裁く運動も起こっていることは起こっているという。

そうした時代にあってはおそらく自我の発達というものは今ほど当たり前のものとして一般意識に普及してはいなかったであろうから、膠原病その他の難病にかかっていたものの悩みもそれほどのものであったかどうかは疑問だ。個性というものの多くは後天的な学習によって作られるものだということは、多重人格者の実例から察せられることである。

クレンペラーの命名後、変性は膠原繊維に由来するものではなく、免疫グロブリンやフィブリンが沈着したものであることが明らかとなったため、膠原病という呼び名はふさわしいものではなくなり、「全身性免疫疾患」などという長たらしい名前を付けられていることが多いようだ。しかし、長年定着したものなので、膠原病で済ませる場合も多い。

膠原病では「トレランスの破壊」という概念が特に重要だ。健康なものでは「免疫寛容」という働きがあるが、病的な人間にあってはこれが破壊される。花粉症のような軽いものでは抗原を食べると治るらしい。並べ替えてレストランで食べるようなものかと思う。ウイルスたんぱくの一部が自己抗原と非常によく似ているので警備にあたっている白血球が間違えたというのもあるが、制御性のT細胞に不具合が起きたためであるとする説が有力なような感じである。一般には抗核抗体が陽性である場合に膠原病が疑われるが、健常人でスクリーニングしても5%程度は陽性反応が出るので、症状のない時の検査は無意味だといえるそうだ。免疫細胞にも善玉と悪玉がいるらしく、悪玉の免疫細胞は病気を起こしてしまうのだというが、悪玉も何かの必要上存在しているのかもしれないとも思う。免疫機能に極めて重要なT細胞やB細胞においては、「自己反応性T細胞」や「自己反応性B細胞」が活性化することが、健康な人にもあるのだが、おそらく制御性のT細胞の関与によって顕在化することはないらしい。まあ、もしかしたら人の最長寿命を120歳までに限定するためにこうした悪玉と呼ばれる免疫細胞が存在しているのかもしれない。

「抗原[antigen]」となるものは体内の至る所にあるのに、自己の細胞に対しては免疫反応が起こらないのがふつうである。自己抗原に対しては抗体を作らず、免疫反応による炎症は起こさない仕組みになっている。骨髄で生まれたプレT細胞は胸腺の皮質で分化・増殖する。一応さまざまな種類のT細胞が出来上がるのだが、自分自身を認識できないT細胞はアポトーシスによって死滅させられる。さらに胸腺髄質に入ったT細胞は自己抗原を無視できるかどうかのテストを受ける。自己たんぱく質抗原だからかなりの数があるが、ここでも不良T細胞は殺されるので、胸腺が正常なら免疫寛容のシステムはこれで完成となるはずだ。しかしこの機能がたびたび破綻するということは往々にして健常人もあるようなのはどうも胸腺での教育が不十分であることを一部示唆するものではある。

つまり免疫寛容というのは、中枢が抹消を支配するための巧妙な仕組みで、本質的に肉体というものは精神の支配から自由になることを欲しているのだと思うわけで、肉体細胞群の反乱が病気となって現れるのである。病気は肉体細胞の表現であるともいうことができる。膠原病による表現も、腰痛などの痛みによる表現も、すべて肉体の反乱であるととらえることができる。線維筋痛症などの心の病にしても、結局は脳の病気なのであるから、精神的なものではなく肉体的なものだ。肉体細胞の本質的な反乱を鎮めるということを医療機関は行ってはいない。だから永久に反乱は続くわけである。


自己免疫疾患で昔から知られているものが全身性紅斑性狼瘡で、オオカミにかまれた傷のようだというので名づけられた。20代30代の女性に多く、女性ホルモンが関係しているらしい。男性の10倍多い。現在は狼瘡は略されることが多く、全身性エリトマトーデスと呼ばれるようだが、正式には[Systemic Lupus Erythematosus]という。[lupus]は狼、[erythematosus]は紅斑という意味のラテン語だという。「エリトマトースス」ではなく「エリトマトーデス」と呼ぶのはドイツ語表記からのようだ。狼の名は、この病気特有の腎炎である「ループス腎炎」に残されている。歴史的には、1850年にSLEの病像に関する起債が認められ、1924年にはSLEにおける心臓病(心内膜炎)の報告がなされ、1942年に膠原病として知られるようになった。先に、膠原病の特徴は抗核抗体が陽性であるなどと書いたが、抗核抗体が陰性であるのに膠原病を発症する人もいるらしい。逆に抗核抗体が陽性であっても症状のない健全者も5%は存在するということは先に述べた。難病に指定されているが、日本には10万人近い患者がいると推定されていて、それほど珍しいものではない。ひょっとして1000人に1人という数の多さから言うと難病というイメージではない。今厚生省から特定難病の伊庭を受けているものだけで全国第3位の6万人強だ。1位は潰瘍性大腸炎、2位がパーキンス病だ。4番めに多いのがやはり小大腸の炎症を起こすクローン病だ。ネットのブログで一番多く見受けたのが全身性エリテマトーデスを患っている人で、次が脊髄小脳変性症で、靭帯がどうのこうのというのが一人いた。筋ジストロフィーなんていうのもいたかもしれないが、力が抜けるにしても相当重傷でないと助成の対象にはならないと思う。全身性エリテマトーデスの根本的な治療としては、原因となるT細胞を取り出し、増殖不可能の処理をしたのちワクチン化して、患者の体内に戻し、免疫機能により原因T細胞を攻撃破壊するというものだが、まだラットで実験中の段階らしい。多分変なワクチンを注射されたら寿命が縮まるだけだと思う。SLE患者の半数がループス腎炎だという。腎臓が成人になるために最も大切な臓器だということは黄帝内経の時代以前からわかっていたが、その後数千年を経てもまだ人体にセットできるようなコンパクトな装置は発明されないでいる。ホンダの技術でもまだ二足歩行ができたところで、まだ直立歩行とはいかず膝を曲げて歩くことしかできない。あと300万年分の進化が必要だ。マイケル・ジャクソンが患っていたという病気だが、どうやって死ぬまで隠し通せたのだろうか。病院に受診に行けばすぐにばれただろう。

聞きなれない病名だが、膠原病として分類される「強皮症」[Sleroderma]も日本では多いタイプの難病だ。これも女子が7倍ほど多いが、SLEよりは高年齢よりに発症する。手足の末端から皮膚が硬化する。全身性エリトマトーデスなど一般の膠原病とは異なり、ステロイド薬の効果がないので厄介な難病らしい。指尖部の陥凹性瘢痕が特徴だというが、これは写真を見る限りでは魚の目の様でもある。

女性にやたらと多い膠原病の中でも、特に多いのがシェーグレン症候群であって、ドライアイやドライマウスを伴う。ほとんどのものが乾燥症状のみで、別段寿命に差しさわりがるような合併症というのがないので、膠原病内科医があまり親身になって取り合ってくれないことが多いという。軽症のものが圧倒的に多いため、難病指定を受けている患者は数万人だが、実際は10万人から50万人もいるという。膠原病の中ではあまりに軽傷の患者が多くて専門家の注意はひかず、難病扱いするのは歯医者とか眼医者だけらしい。他の自己免疫疾患と大きく異なる点は、B細胞の異常な活性化と、ガンマグロブリン蛋白の顕著な増加ががん化を促すことがあるということで、悪性リンパ腫のリスクが高いということだという。時に末梢神経障害を伴い、これを感覚失調性ニュロパシーという。両足がびりびりしびれてうまく歩けないというやつだという。一応は難病に指定されてはいるが、平均すればことによると腰痛程度なのではないかと思うくらいなので、給付金として年に200万も貰い受けている人の話を耳にすると、『この人は本当に重症で寝たきりなのだろうか?』などと思ってしまう。役所の窓口で涙を流して泣き喚いただけで、年金が何十万か上乗せされるという世の中だ。母子家庭で月20万円ももらっている家庭と同じではないだろうかなどと思ってしまうわけだ。きっと毎月5万円は貯金しているに違いないのである。失業手当などとなると、実にとんでもない額が支給されるのに驚く。月3万あれば生活出来るところを、政府は平均ということしか頭にないから15万も支払う。一人暮らしの失業者は手当のうち毎月10万円は貯金することが出来る。働かないほうが高収入な場合であっても、労働する方を選択するもののほうが多いというのが、まだ日本人には屈辱を選ばないものが多いということを示しているようで、将来が期待できる。


印象としては自己免疫疾患というのは多かれ少なかれ、だれにでもある普遍的なものだという思いを受ける。細胞性免疫のようにきっちり胸腺で教育を受けたものではなく、マクロファージなどという自然免疫というのか、その類のものは疑わしいものはすべて食べてしまうので、例えばしもやけなどはそうした仕組みで起こるのではあるまいか。マクロファージが好んで発生するチューマーネクローシスファクターα(腫瘍細胞壊死因子:TNF、障害抑制作用を持つ)は炎症を生み出すのに欠かせない要因の代表だ。戦争によくある同士うちみたいなものである。太平洋戦争勃発時、真珠湾奇襲攻撃において日本軍に撃墜された奇襲部隊はゼロだったそうで、この訓練された射撃には米軍も舌を巻いたらしい。近代は早い者勝ちがあらわとなってきたので、湾岸戦争などでは味方にやられる部隊のほうが多くなって、このばかばかしさというのはまさに自己免疫異常が難病となったことを表しているようだ。自然免疫の段階で同士討ちがストップするのが通常で、マクロファージやマウス細胞がもたらした偽情報を真に受けて、獲得免疫にまで拡張してしまったものが難病なのだと思う。しかし難病であっても結局は自然治癒力によって完治にこぎつける場合も多いのではあるまいか。風邪と似たようなものだ。風邪のウイルスが発熱しているわけではなく、発熱しているのは人体のほうだ。放射線による急性障害などまさに免疫システムが犯人なのであって、名探偵ホームズが正しく推理するならば放射線のほうは全くの白なのである。

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結局、どこが骨と関係あるのかわからなかった。

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