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zoom RSS 「領土問題の真実」という本を読んで。

<<   作成日時 : 2012/11/12 17:14   >>

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水間政憲(みずままさのり)という1950年生まれの人の著書だ。日本に都合のよい事実だけ探し当てて書いた書物である。このタイプの人の常として、本人は客観的の資料を整理しているつもりなのだろう。アジア開放のために戦争を始めたなどといえばさぞ聞こえは良いが、仮にそういう目的であったとしても、他国に侵入して防波堤を築くというのは、とんだ迷惑な話である。この種の人物は、靖国神社に祭られているものたちを「英霊」などというが、彼らこそが多数の国民の生命を奪ったものであることを考えると、到底その話を受け入れる気にはならない。むしろ、日本国民のためを思っているのは、日本政府ではなく、中国政府なのだという気さえしてくる。

中国やロシアに対する悪感情というのは、いわゆる自虐史観から出たものというのは当らない。それは戦後アメリカを主導とする連合軍が植えつけたいつわりの史観であって、資本主義圏の富裕層を守るためにことさらに共産圏を貶めるための、蒙昧な一般大衆を洗脳するには充分なプロパガンダの生んだものだ。

こうした西側の過度な偏向思想に加えて、日本政府の由来が暴力団と同じ捏造であることも考えておかなければならない。維新の元勲を築いたのは薩長派閥であるが、長州が暴力犯的やくざであれば、薩摩は知能犯的やくざである。それで錦の御旗も、天皇の勅書も真っ赤な偽者であるのに、やくざの凄みを利かせて日本全土を乗っ取った。その同じやくざがいまだに合いも変わらず日本を統べているのだから、こんな日本政府を容認している愚鈍な大衆が如何にあきれ果てたものであるかがよくわかる。諸外国から見れば、戦後日本がその軍国主義に対する反省の情をいささかも有していないように映ずるであろうという原因の一つとして挙げられるのが、天皇皇室に対するいまだ過剰なまでの身贔屓であろう。たとえば、天皇専用列車(*)などというものがあり、『一般列車は天皇の車両を追い抜いてはならない」などという、まるでフランス革命以前のしきたりのようなものが存在していることは、まるで専制国家そのものである。

(*)天皇専用列車のことは、「お召し列車」としてウィキペディアに乗っているが、非常にふざけた制度であると思う。↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E5%8F%AC%E3%81%97%E5%88%97%E8%BB%8A

なぜ旧態依然とした皇室に対するこのような差別が戦後になっても残っていたか、大いに疑問だ。




前に述べたとおり、北方四島などは、倭人が乗り込む以前にロシア人が先に開発に着手していたものを、日本側が強硬にロシアの十字架を引き抜いて「大日本択捉」などという標識を建てたものだ。これなどは、大衆感情的にどう考えてみてもロシアの領土といえるものだ。おまけに、前回述べたとおり、日ソ中立条約を一方的に破棄したのは明らかに日本の方が先である。だから、先進主要国の地図などを見ても、北方四島を日本領としている国は中国くらいのものだ。それなのに、ロシアは歯舞・色丹の二島を返還するなどと言ってくれている。これはおそらく樺太問題が背景にあることの緩和策かもしれないが、こういう点でロシアは慎重だ。先の大戦でソ連が日本に進行したのも、散々列強に催促された後に、漸く期限の1日遅れになって腰を上げたのだった。普通なら中立条約があるにもかかわらず自国の漁民を拿捕されたりしたら即開戦という世の中であったはずなのに、スターリンは文書にした約束は頑として遵守するという性格だったのかもしれない。



大日本帝国は、戦前から共産主義思想に猛反対であった。アナにしろボルにしろ、どちらが現実化しても、財閥系は総じて犠牲になることは明らかなように思われたからだ。粛清されるかもしれないという妄念が逆に共産主義団体の撲滅運動へと展開していった。赤狩りということに関しては、アメリカなどよりよほど早かっただろう。大正デモクラシーの自由な雰囲気が、当時はもちろんのこと、現在のアメリカ社会よりも社会に浸透していた様子が窺える。真珠王御木本幸吉(1858−1954)が、嫡男の社会思想化ラスキンに私淑したのを追放した話などもこの頃のことか。それも、こうした理想郷を求める運動に恐怖を感じてのことだ。前回、「孫文の手紙」を紹介したが、そこには「日本はロシアに対して戦々恐々としている」などということが書かれていた。反対に腹黒いのは資本主義権の列強だったというのは、現在の経済システムにおける巨大資本の強欲的な倫理観というものを見れば即座に納得できよう。

それが終戦後に連合国全体が共産主義思想を敵視するようになると、とたんに敗戦国日本も資本主義経済圏の一員として西側欧米諸国に受け入れられた。ここで反共思想にますます磨きが掛けられ、あることないこと捏造の対象とされて行ったわけだ。戦後共産国として登場した中国共産党に対する後ろ向きで否定的な見解も多くは米国製といえるものだ。愚かな大衆はそれが日本独自の見解だと信じ込んでいるようであるが。日本に旧来から根強く存在している偏見というのはロシアに対するものだけだといってもよい。このような破天荒な誹謗中傷を簡単に信じ込んでしまう大衆のおつむというのが全く理解できない。

さて、現在日本が領土問題を抱えている諸国中、ただ韓国のみが資本主義権に属しているものである。この韓国国民の恨みというものさえ、日本国内の蒙昧な大衆には理解できないのは真にあきれ果てることだ。韓国国内の大衆も、日本国内の大衆と同じように、ただ国家のプロパガンダに踊らされている愚かなパペットに過ぎない。日本人と瓜二つのその場限りの熱中性を有する韓国人の国民性というものを考えればバカにでも分かりそうなものだが、それが分からないのだから、大衆というのはやはり死んでも分からないようである。「死んでも分からない」という言い回しと、「死ななきゃ分からない」という言い回しがあるが、蓋し前者のほうがバカは遺伝するという現実を考慮すれば、合理的で科学的だといえる。これを中国人の恬淡さと比較すると、非常に面白いものがある。

少々脱線するが、操り人形に過ぎない者、昔風に言えば「わら作りの犬人形」とかの老子が形容したものだが、どこから見てもただの屑と呼べるものが、私の試算によっても、又おそらく現実にも、30人のうちの29人の割合にしか過ぎないということは注目すべきだと思う。かつてバクーニンの語ったところでは「自ら考え行動するものなど1000人に1人もいない」ということだったからである。不況といわれる今日こそ、主体性を発揮できるものが多いということなのだろう。サラリーマンに安住の地を求めているような人物の末路は、目下のところほぼ総てが落ちこぼれと言ったところである。この点に関して少々驚いたのが、先年中学の恩師が‘フリーターは貧乏’などと思い込んでいるようであったことだ。彼は昭和に入ってからのいわゆる押し付け教育の下で育った。それで新しい時代の概念に適応できないのだろう。大正デモクラシー時代の明るい自由な環境で育った一つ世代前の教育者の柔軟な発想と比べると、これは確率的なものだろうが、雲泥の差を感じる。これもやはり時代的な社会環境というものに洗脳されるためなのであろうが、現在の社会人を見渡すと、およそ30人のうち29人程度までが、中学や高校時において成績が下位3分の1程度に属していたものの知能しか所持していそうもないというのにもあきれる。要するに“バカ”なのであるが、“バカ”でもその位多数派になってくると“バカ”といわれても動じないのが大衆である。それでヒトラーは、あらかじめ“大衆は愚鈍である”と公言していたのにもかかわらず、大衆は彼に従った。

さて、筆者の水間氏によれば、日本政府の尖閣処理に関する不如意は沖縄返還交渉の過程で、米国から尖閣海底油田の共同開発を打診された際、当時の佐藤栄作首相がそれをけったことにあるのだという。この流れは、日露戦争後に米国が求めてきた「南満州鉄道」の共同管理の打診を蹴った姿勢に通じるものだと筆者は語る。それが40年ほどたって太平洋戦争を引き起こしたのだそうだ。沖縄返還か交渉ら40年後というと2012年よりも数年前となる。時間間隔的に考えると、大きな紛争は起こらなかったともいえる。しかし、その間米国の石油メジャーは、尖閣諸島は台湾に帰属すると台湾政府に申し入れ、台湾政府から尖閣海底油田の鉱区権を手に入れていたのだという。それで、1972年の沖縄返還の前年の1971年6月に台湾政府は尖閣諸島の領有を主張してきた。背景にはアメリカの石油メジャーの動きがある。それで米国政府も、終戦後におっとりが棚で適当に決めておいた国境ラインでは日本領としていた尖閣諸島だが、この頃から態度をあいまいとさせて、それが現在まで継続している。そして米国の選択が世界全体の一般的通念であるという慣例に則れば、日本の思うほど尖閣の領有権が固定的であるとは決まっていない。さて、台湾がこのような主張をし始めたのを耳にすると、もともと「台湾は自国の一部」としている中華人民共和国が同じ事を言い出すのは時間の問題というものであって、それが同年1971年の12月のことだそうだ。

つまり、日本の拙劣な外交交渉のために、アメリカ政府が心変わりをせざるを得なくなり、尖閣諸島の保有を日本に変わり台湾に斡旋するようになった。台湾政府は素直にそれに応じた。中国共産党政府は積極的に動いたわけではないが、事の成り行きで尖閣諸島を時刻量に組み入れなければならない必要に追い込まれたということになる。参加しているのは、日本と、中国の分裂2国家の計3カ国だが、アメリカの働きかけがかなりある。日本のバカなのは、アメリカが尖閣問題で日本の味方だと思い込んでいることだ。「もしも日中で軍事衝突があれば、安保に基づいて日本側に着く」といっているだけであって、たぶんアメリカも中国共産党政府の巨大化については、1970年当時考慮していなかっただろう。資本主義圏内で片付くような問題なら、尖閣は台湾領に組み込み、日本には多少賠償金のようなものを支払うことでお茶を濁していたに違いない。

水間氏の述べる歴史的背景というのは、まあそういうところだが、ここからが見解の相違というのか、彼の主張では中国が利権を求めて先覚を国有化しているということになっている。これが私の見るところだと、窮鼠猫を噛むとまでは行かないにしろ、中国はやむを得ず尖閣諸島の国有化に突き動かされたというようになる。「やむを得ず」というか「濡れ手に粟」でそれなりの努力はしている。「棚から牡丹餅」ではなく、寒いのに朝早く起きて腕を充分に水につけておかなければ、粟の詰った桶に手を差し込んでもわずかな分量しか取れないということだ。それが山崎種二のいう「働き一両考え五両」ということである。頭で働くことを怠ったものはそれなりの付けを支払うのが当然だ。

さてそうなると問題は台湾の尖閣諸島領有権を主張したアメリカ石油メジャーが果たしてアメリカ政府とは独自にこれを主張したものなのかということが問題になってくるのだが、どうもアメリカ政府というのはそういうのを美徳として得意になって行うようなところがある。まあ、ビジネススタイルの国家なら当然であるともいえるのだが、これが日本流に言えば大変卑怯な行為に映る。たとえば太平洋戦争勃発時における真珠湾攻撃だ。アメリカ海軍は当初自国が被害を受けたにもかかわらず、日本海軍の優秀さと緻密で統制の取れた訓練の賜物を褒めちぎった。この種の奇襲攻撃こそ、アメリカ軍の伝統であり、最も好むものであることを理解していた山本五十六の計算どおりに事は運んだかに見えた。ただルーズベルトの宣伝工作により、それは180度転換させられて今日に至っている。こうした例からもわかるのだが、アメリカ人、とくにアングロサクソンだろうか、彼らは一般に、頭を使って他人を出し抜く能力に秀でたものの存在をことさらに好む。だから彼らの判断基準から見れば自分たちは少しも間違っていない。日本人にとって勤勉とは美徳であるのが当たり前なようなものだ。そんな尺度を人生における正しい行為だとみなしている国が決して多くはないということは、この情報時代にあっては周知の事実であろう。


であるから、結論としては、尖閣問題を引き起こした張本人はアメリカ合衆国であり、中国共産党の領有権主張は防衛のためであり積極的なものだとは必ずしも言えないということになる。おそらくそのほかの現代の諸問題も、多くは米国の戦後処理のいいかげんさに起因しているようである。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あんたは自らを30分の1のエリートだと思ってるようだが

人間としての価値で見れば、下から数えたほうが早い

知能レベルが割と高かったのは、あんたにとっては不幸だったな

自意識を肥え太らせ反省するということが出来ないのだろう

謙虚さを忘れた人間など最終的に滅ぶだけだ

一端の独裁者でも気取ってるのかもしれないが

俺からみれば、あんたが馬鹿にしてる民衆より数段愚かだ

とにかく日本を悪く言いたいがために虚飾で塗りたくった理論

本当の真理を見出すために頭を働かせたことないだろ?

俺は天才、日本は悪い、民衆は馬鹿

こう言う糞みたいな結論を前提に考えたことしかないはずだ

なんでこう言う結論ありきで考えるのか

悪魔に憑かれたか、幼少期のトラウマだか知らないが

俺が断言してやる、あんたは間違っている

まぁ、何言っても無駄だとは思うが、正道に立ち戻ってくれれば幸いだ

2012/11/14 05:45
どうもコメントありがとう。まあ言葉遣いはともかくとして、どこそこの掲示板で見かけるような理由もない抽象というのが感じられなくて、非常にフランクな印象を受けました。右顧左眄の下種な連中は「向こうの小さいポニーを見ていると癒されますね」などということしか言わないものですから、すぐに彼らが埴輪だという正体が分かります。

私は30人のうち29人は死んでしまえなどといっていますが、本当に死んでもらっては困るわけで、これはかつてディオゲネスが「エフェソスの人間など一人残らず首をつって死んでしまえばよい」といったことに通ずるのかとおもいます。


弘法大師に「国恩は父母の恩よりも大なり」などという北朝鮮の碑文のようなものがありますが、日本国政治家の愚かさ加減はこの北朝鮮の政治化以下でしょう。このような国家に対して愛情を注ぐというのは土台無理ですね。実際明治新政府というものは実にやくざなものだったとしか言えません。どのように善意に解しても、他人の家に三度の食事を運んでこれを食させるというおばさんのようなもので、これが犯罪だという観念のない人物は実に破廉恥千万なものです。
whitehand(管理人)
2012/11/14 09:48

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