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zoom RSS 「地球はどうしてできたのか」を読んだ。

<<   作成日時 : 2018/06/30 08:23   >>

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この前「雪玉地球」を読んで地球の構造をもう少し詳しく知りたかったのでブルーバックスのこの本を注文した。昼間たいていテレビで見ている竹内薫氏が推薦している。吉田昌樹というコンピュータシミュレーションの得意な地球惑星科学者が書いた本だ。硬いマントルがなぜ動くのかについても書かれている。

地球内部の層の分類としては、力学的区分と化学的区分の2種類がある。前者は高度の違い、後者は化学組成の違いであるが、大体同じである。非常にかたい岩石で出来た、厚さが100キロメートルほどの「リソースフェア」という部分は大体地殻に相当する。次に、深さ200〜2891キロメートルまでを「メソスフェア」という。これが下部マントルと上部マントルである。リソスフェアとメソスフェアの中間部分の流動しやすい部分を「アセノスフェア」という。(上部)マントルが部分的に溶けた部分を指す。中心部の外殻と内核の区分はどちらも同じである。昔高校の地学で習ったのは、化学的区分の方だ。

アセノスフェアという流動部分が過去に習わなかった重要なポイントだ。マントルの下部境界層からプルームがもくもくと立ち上がる。大体海嶺といわれるところで起きて海溝に沈み込む。そこが昔は一枚の平行な層であったように思う。今は熱伝導の理論家遺跡から、海洋プレートの厚さは年代の平方根に従って厚くなることがわかっている。年代が増すごとに堆積して冷えて重くなる。そして重力によって沈み込むのだそうだ。海洋プレートと大陸プレートの運動によって、地球には海の山脈と大陸の山脈ができる。地球型惑星と月には陸の山脈しかないそうだ。プレートテクトニクスというのがあるのは太陽の近くでは地球だけらしい。


アアメリカ大陸の東海岸とアフリカ大陸の西海岸の形が似ていることを指摘してきた人はウェゲナー(1880−1930)の以前に数多いたようであって、おそらく近代的地図製作者のほとんどであっただろう。毎日地図画面を見ていれば気が付かない方がおかしい。その中の一人がフランドルのアブラハム・オルテリウスで1596年の事だった。地図屋などでなくてもベーコンは1620年に「新機関」でそのことに触れているから誰でも気が付きはするようだ。しかしその後150年ほどすると、海流によって削り取られたという学者の意見が普及した。聖書の影響というのもあったかもしれない。地球が変動しては困るのだ。

しかしその後大陸移動説といっても過言ではなさそうな世界地図を描いた『天地創造とその暴かれた神秘』という本が、フランス人のアントニオ・スナイダー・ベルグリーニによって1858年に出版された。宇宙卵のアイデアを抱いたルメートル牧師といった感じだ。そのころには化石の携帯から、かつて大陸は地続きであったとする「陸橋説」が盛んとなり、1861年にはかつての超大陸を「ゴンドワナ大陸」と名付けたエドアルト・ジュースが現れている。ウェゲナーといっても決して独走というわけではなかったようだ。

ウェゲナーは1929年の『大陸と海洋の起源』で、超大陸を「パンゲア」としている。このころにはすでに、地形の高度分布が異なることから、陸地と海底の知覚は異なる物質からなることが保証済みであった。それで陸橋説のようなことはおこらないことが断言できた。ウェゲナーは気象学専門で、地質学者ではなかったそうだ。大陸移動の理論的根拠が何もなかったこともウェゲナーの弱みであった。しかし、1928年というからパンゲアの前年、英地質学者のアーサー・ホームズ(1890−1965)がマントル対流説」を初めて提唱した。ホームズは放射性同位体の壊変による岩石の年代測定でも足跡を残した人だ。しかし、「それではマントルを動かす力はどこから生じるのか」ということで、戦後まで沈黙した。

1960年代後半になって、やっとプレートテクトニクス理論というのがにぎわい始めた。プレートが地球表面を水平運動するという説で、私が地学で習ったのがこの段階の話だった。1980年代からは地震波トモグラフィーとやや遅れてマントル対流のコンピューターシミュレーションの手法が使われるようになった。

コンピュータシミュレーションによると、プレートはアセノスフェアと固く結びついて動いているようだ。そうして海溝の全長が長いほどプレートの沈み込み速度が速い。もっとも海溝の総距離の長い太平洋プレートは毎年8センチのスピードで動いているそうである。沈み込み帯でのスラブ引っ張り力がプレート運動の最も大きな原動力だという。海嶺の押しはスラブの10分の1程度らしい。日本列島付近は世界で一番入り組んでいるといってもよいくらいなんだかわからない寄せ集め領域である。それなのに、なぜこんなに見た目が整っているのだろうか。気のせいできれいに見えるだけなのだろうか。気になったのでちょっとユーチューブに「日本列島の誕生」というのがあったからしばらく見ていた。
https://www.youtube.com/watch?v=cNuIl8Vio6Q
思っていたよりもとてつもなく最近になってできたらしい。


さて、大陸プレートは海洋プレートなどより軽いから沈みこまないかというと、原則として漂流しているだけであるが、絶対沈まないとも言い切れない。大陸のうち、先カンブリア時代(5.4億年以前)に形成され、安定化した部分を「クラトン」とか「楯状地」といって、ここは大丈夫らしい。この辺は地殻の下にテクトスフェアという固くて冷えた領域が200キロほどもあって、マントル対流の防波堤をなしているそうである。過去最も最近の超大陸離散の始まりが3億年前から2億年前だとされる。地球最古の岩石が40億歳だそうだから、離合集散を何度繰り返しても大陸が沈むということはほとんどなかったとも考えられる。繰り返しのサイクルを「超大陸サイクル」だとか、その過程の一つをプレートテクトニクス理論のウィルソンの名をとって「ウィルソンサイクル」などと呼ぶそうだ。ウィルソンサイクルというのは、膨張と収縮を繰り返す内向パターンで、「アコーディオン・テクトニクス」とも呼ばれる。永遠に膨張する過程で大陸同士が融合離散を繰り返す無限パターンが、外向パターンである。宇宙が収縮するか、無限に膨張するかといった話と似ている。

外向パターンで形成されたゴンドワナ超大陸が分裂を始めたのはおよそ5億5千万年前と見積もられている。その後1千万年ほどたってからカンブリア大爆発が起こっている。そしてゴンドワナの破片が終結して再びパンゲア超大陸を形成した。これは内向パターンで生まれた。その後5000万年ほどして生物の大量絶滅が起り、海洋無酸素事変に続いて、恐竜が出現した。

地球に大陸が誕生したのが名桜代の終わり、生命が誕生したのが太古代(始生代)の始まり。この境がおよそ40億年前だ。その後10億年ほどして最初の超大陸が形成されたと考えられている。この超大陸は二つの小さなクラトンが合体した非常に小さなものだったらしい。想像に過ぎないが、「バールバラ超大陸」と名付けられている。いやいや30億年前には「ウル超大陸」というマダガスカルとインドを加えたもっとおりぎなるなものがあったのだという学者もいて、25億年前にはシベリアクラトンを含んだ「アークティカ超大陸」、20億年前にはアフリカ西部を含んだ「アトランティカ超大陸」が存在していたという。

現実に存在していたことがほぼ確実視されている超大陸としては、約18億年前のコロンビア超大陸がある。北アメリカが多数の大陸の集合体だということを明らかにしたのが、カナダの雪玉説のポール・ホフマンだ。彼自身はこれを「ヌーナ」と名付けた。これにその他の地域の大陸プレートを加味したのが「コロンビア超大陸」だ。

続いて約10億年前までにはロディニア超大陸が形成された。地球の低緯度地帯を占めていたと考えられ、7億年前と6億3000年前ほどに全地球凍結(スノーボールアース)を起こしたと考えられている。ロディニア超大陸はホフマン博士の提唱したものだが、本書では彼が雪玉説の提唱者だということには触れられていない。例の本が上梓されてから3年後だから、その間に何かそれなりの事情があったのかもしれない。そう大げさに騒ぎ立てるほどのことではなかったのかもしれない。雪玉になったところで生命活動に何か本質的に支障があったわけではなかったのかもしれない。どうもそんな気もする。

ゴンドワナ大陸が形成されたのは6億年前から5億年前のころとされる。パンゲア超大陸が形作られる前にできたものだが、だいぶ期間が長く存在していたのでこの名があるようだ。すべての大陸が融合したわけではないので、超大陸とは言いにくい。またパンゲア大陸の分裂が始まった時もしばらくゴンドワナ大陸から分離していたようだ。

しばらく停滞していたらしいが、再び内向パターンが始まって、海が閉じ、超大陸が合体してパンゲア大陸を形成したのが3億年前だ。これが最も新しい超大陸だ。パンゲア超大陸は、パンサラッサという一つの海で囲まれていた。そのパンゲア超大陸が分裂を開始したのがおよそ2億年前とされる。その南半分がゴンドワナ大陸だ。北半分を構成したのがローラシア大陸で、これが現在のユーラシアと北アメリカだという。インド亜大陸が遅れてゴンドワナ大陸から分離して猛スピードでローラシアと衝突した際にできたコブがヒマラヤ山脈だ。


こうした超大陸形成が繰り返されるごとに、海底の生産速度が時代とともに変化する。すると、地球内部から二酸化炭素が排出される速度も時代とともに変化するので、大気中の二酸化炭素量も変化するという。カンブリア爆発などはその過程で起こったとも考えられるというが、二酸化炭素が地球内部から排出されるということは逆に吸収されるということもあるのだろう。海底の巻き込みによるマントルへの海水の吸収とともに行われるものと思う。海底、陸上の火山の噴火などよりも異なった様式があるのかもしれない。「生命だけがエントロピーを減少させる」などというが、そうした考え方は恒星や惑星そのものを一種の生命とはみなさない人間本意の誤ったものの見方なのではあるまいか。エントロピー増大の法則が事実ならば、恒星などというのも生まれなかっただろう。どうもこの法則というのは人間の勘違いではなかろうか。「無秩序に向かう法則」などとたとえられるが、どうも世界は統計的には無秩序に向かうということで、個体が無秩序を好むというのとはだいぶ意味が違う。秩序の方を好む分子も存在する。鳥の話でもいったが、推移律のわなみたいなものだと思う。AならばB、BならばC、CならばD、…を繰り返していって、ついにAならばZであることを数学的に導き出したが、ふと気が付くとAはZではなかったというやつであるようなことだったのではなかろうかと思うのだ。

近年地球温暖化との関連で、温暖化して海洋が温まれば膨張して海面が上がると思い込んでいる向きも案外に多いようだが、海の深さというものは海底の年代の平方根に比例して深くなってゆくというのがある。若いプレートが広がっているときには概して推進は浅くなくなり平均海水面は上昇するが、沈み込み始めると逆になる。現在はどうかというと、太平洋プレートの年代がどんどん古くなって油沈み込み始めたので、どんどん海が深くなって、海面は低下しているという。温暖化による膨張は太平洋側では逆作用だ。

沈み込みに関しては、重い海洋プレートが沈み込むのだが、海洋プレート同士でも、古くて重い方が潜り込む。地球最古の岩石は、現在カナダのアカスタ片麻岩というもので39億6千万年前のものだそうだが、カナダにはこれより古い岩がありそうだともいう。放射年代測定で同定するのだが、何でもできるわけでもない。壊変されて出来上がった元素を含んでいない岩でないと正確な測定ができない。こうした方法で地上の岩石年齢を測定すると、盛んに陸地が生まれた時期と、そうでもない時期が交互に現れるという。何かサイクルを繰り返すということこそ、先に述べた「無秩序の法則」とは相いれないものがある。

いよいよ固体のマントルがなぜ流動するかという話だが、まず上部マントルの粘性について語られる。粘性と聞けば普通は液体化機体のそれが連想されるのが普通だと思う。個体鉄の粘性などという言葉はめったに聞かない。上部マントルの粘性が10の21乗パスカルだという。マヨネーズの粘性率がちょうど10パスカルだそうだ。しかしこれだけではマントルがどのくらいがちがちに硬いのかわからない。固体なら固体同士の比較のほうがわかりやすい。また固体といっても、粉々に壊れた固体の集合体だとしたら、そのうち動き回るのは当たり前のような気もするが、そういうものでもなさそうだ。下部マントルはもっと100倍くらい固いそうだが、これは温度の上昇率が圧力のそれよりも低いためかもしれない。上部マントルや地殻には放射性物質が豊富なので、それだけ暖かいというのもありそうだ。しかし思うに、太平洋プレートが1年に10センチ近くしか動かないことからすると、マントルは常温の鉄よりも固いのかもしれないという気もする。長さ数千キロメートルで厚さが10キロくらいの鉄の板を持ち上げたら、10センチどころか何キロも垂れそうだ。石器の武器よりは鉄器の武器のほうが勝るが、石の家は鉄の家より長持ちする。数千万年というスケールで物事を見たら、石や岩のほうが文明の利器などよりは断然長持ちだ。

ところで、「マントルの熱収支」というのがあって、地球は5テラワットほどの熱を放出している。なんとも温暖化の上に温暖化という気がするが、これで太陽の0.1%以下だという。月が重力による潮汐力でマントルを暖めている度合いは華々しいというが、地球もこの類の潮汐力で0.4テラワットもの摩擦熱を得ているという。地球位不動でもこのくらいになるのか。

昔は天皇海山列でも知られるように、太平洋プレートは北に動いていた。それが4千万年前になると、急に向きを変えてハワイ諸島の向きになった。「始新世プレート大編成」の一環らしい。より歴史をさかのぼると、太古の地球にはマントルに放射性物質が多かったのでより高温となり二層対流していた可能性があるというが、現在は一層対流だという。この対流の転換が27億年前の磁場強度の増大と関係しているということも考えられるそうだ。

地球コアの大きさは3480キロで火星より半径90キロほど大きいだけだという。岩石成分から重い鉄が分離して形成されたそうだ。コアの外側の外核が液体であることは、地震波のうちP派が遅くなり、S派が伝わらなくなることからアメリカのグーテンベルクにより発見された。1926年のことだ。マントル対流の年間10メートルと比較すると年間10キロ以上の速度で西回りをしているという。カタツムリよりは遅いが、秒速にすると1ミリ以上になる。

「地球の中心コアへの旅」というのがあって、面白かったのであげておく。
https://www.youtube.com/watch?v=3yfen-t49eI

さて、固体の内核は現在半径1222キロメートル、地球の体積のわずか0.7%だ。粘性率もマントルの千分の1と柔らかい。内閣は鉄・ニッケル合金を残して、シリコン、酸素、硫黄、炭素、水素などを液相に放出する。この時に開放される重力エネルギーが、対流の運動エネルギーに変換され、ダイナモ気候のためのエネルギーとなっているそうだ。

読み終って、改めて考えてみると、パンゲア超大陸が形成された古生代石炭紀以前のことについては、想像の域を出ないというのが現状であって、だからスノーボール化説のことなどにはあまり触れられていなかったのだと強く思った。生命の大絶滅などについても、2億5千万年前のものが最大などといわれているが、記録に残されたものの内で最大なのであって、いうならば2億年くらい前のものならば化石などの文書に記載されているが、もっと前のものは記載されていないだけだということに過ぎない。大体ゼラチンみたいな生物は痕跡は残らないだろうし、生命が海にしかいなかった時代の生き物は海洋プレートがマントルに飲みこまれて何も残っていないのである。だから、大量絶滅5本指などというのはとんでもないでたらめだ。マントルに飲みこまれなかった三葉虫の化石などは極めて珍しいものだったのかもしれない。浅瀬に住んでいた三葉虫でこれである。

こうして少しでもまとまった本に目を通すと、日常マスメディアの報道によって我々が如何に勘違いの方向に動かされているかがわかる。マスコミが我々を先導しているのではない。我々が自分自身を洗脳しているのだ。例えば気象予報士などで、地球温暖化の犯人は人間の出すCO₂が原因だとしている人などだれもいないのに、見ている方に勝手にそう解釈している人が実に多い。他人を見て、『この人はこういう人に違いない』と決めつけることこそが洗脳なのであって、それと同じことは他人も行っているのが普通である。「自分はこのように見られている」からこそ人がそのように行動しているに過ぎない。




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